ウェブ上のリソースの識別

HTTP リクエストの対象は「リソース」と呼ばれ、その本質は細かく定義されていません。文書、写真、その他の何でもなりえます。それぞれのリソースは、リソースを特定するために HTTP の至るところで使用される Uniform Resource Identifier (URI) で特定されます。

URL と URN

URL

もっとも一般的な URI の形式は Uniform Resource Locator (URL) であり、ウェブアドレスとして知られています。

url
https://developer.mozilla.org
https://developer.mozilla.org/ja/docs/Learn/
https://developer.mozilla.org/ja/search?q=URL

ブラウザーのアドレスバーに URL を入力して、URL に関連付けられているページ (リソース) を読み込むように指示できます。

URL はさまざまな部品で構成されており、必須のものと省略可能なものがあります。より複雑な URL として、例えば次のようなものがあります。

url
http://www.example.com:80/path/to/myfile.html?key1=value1&key2=value2#SomewhereInTheDocument

URN

Uniform Resource Name (URN) は、特定の名前空間内における名前によってリソースを特定する URI です。

url
urn:isbn:9780141036144
urn:ietf:rfc:7230

2 つの URN は以下のものに対応します。

  • George Orwell の書籍 Nineteen Eighty-Four
  • IETF 仕様書 7230、 Hypertext Transfer Protocol (HTTP/1.1): Message Syntax and Routing

Uniform Resource Identifiers (URI) の構文

スキームまたはプロトコル

Protocol

http:// はプロトコルです。これは、ブラウザーが使用すべきプロトコルを示します。通常、 HTTP プロトコルまたは安全なバージョンである HTTPS になります。ウェブではこれら 2 つのうちひとつを必要としますが、ブラウザーは mailto: (メールクライアントを開く)やファイル転送を扱う ftp: といったほかのプロトコルの扱い方も知っていますので、このようなプロトコルが現れても驚かないでください。主なスキームは以下のとおりです。

スキーム 説明
data Data URI
file ホスト固有のファイル名
ftp File Transfer Protocol
http/https Hyper text transfer protocol (安全)
javascript URL に埋め込まれた JavaScript のコード
mailto 電子メールアドレス
ssh Secure shell
tel 電話
urn Uniform Resource Names
view-source リソースのソースコード
ws/wss (暗号化された) WebSocket 接続

オーソリティ

ドメイン名

www.example.com は、名前空間を統制するドメイン名またはオーソリティです。これは、どのウェブサーバーがリクエストされているかを示します。代わりに IP アドレスを直接使用することもできますが、利便性が低いためウェブではあまり使用されません。

ポート番号

ポート番号

ここで :80 はポート番号です。これはウェブサーバー内のリソースへアクセスするために使用する、技術上の「出入口」です。ウェブサーバーがリソースへのアクセスを受け入れるために HTTP プロトコルの標準ポート(HTTP では 80、HTTPS では 443)を使用している場合、通常はポートを省略します。それ以外の場合は、ポートが必須です。

パス

ファイルへのパス

/path/to/myfile.html は、ウェブサーバー内にあるリソースのパスです。初期のウェブではこのようなパスが、ウェブサーバー内の物理的なファイルの場所を表していました。現代のパスはたいてい物理的な実情と関係がない、ウェブサーバーによって制御される抽象的なものになっています。

クエリー

引数

?key1=value1&key2=value2 は、ウェブサーバーに提供する追加の引数です。この引数は & 記号で区切られた、キーと値のペアのリストです。ウェブサーバーは、ユーザーへリソースを返す前に追加の処理を行うために、この引数を使用できます。それぞれのウェブサーバーは引数について独自の規則を持っており、特定のウェブサーバーが引数を扱う方法を知るために唯一信頼できる方法は、ウェブサーバーの所有者に尋ねることです。

フラグメント

アンカー

#SomewhereInTheDocument は、リソース自体の別の場所へのアンカーです。アンカーはリソース内の一種の「ブックマーク」を表しており、「ブックマーク」地点にあるコンテンツを表示するようにブラウザーへ指示を与えます。例えば HTML 文書では、ブラウザーはアンカーが定義されている位置にスクロールします。動画や音声の文書では、ブラウザーはアンカーが示す位置への移動を試みます。 # より後の部分はフラグメント識別子としても知られており、リクエストでサーバーには送信されないことは注目に値します。

使用上のメモ

HTML コンテンツの中で URL を使用するとき、一般に使うことができる URL スキームはわずかです。サブリソースを参照する場合 — つまり、最初は巨大な文書の一部だけを使用する場合 — は、 HTTP 及び HTTPS スキームしか使用することができません。加えて、ブラウザーはセキュリティ上の理由から、 FTP を使用したサブリソースの読み込みの対応を削除しつつあります。

FTP は最上位では利用できますが (ブラウザーの URL バーに直接入力したり、リンクの対象としたり)、ブラウザーによっては FTP コンテンツの読み込みを他のアプリケーションに委譲するかもしれません。

url
https://developer.mozilla.org/ja/docs/Learn
tel:+1-816-555-1212
git@github.com:mdn/browser-compat-data.git
ftp://example.org/resource.txt
urn:isbn:9780141036144
mailto:help@supercyberhelpdesk.info

仕様書

Specification
HTTP Semantics
# uri

関連情報