WebAssembly.Table()
WebAssembly.Table()
コンストラクタは与えられたサイズと要素の型から Table
オブジェクトを生成します。
これは、配列ライクな構造で表現された WebAssembly テーブルの JavaScript ラッパーオブジェクトです。JavaScript か WebAssembly コード上で生成されたテーブルは JavaScript、WebAssembly の両方からアクセス、変更可能です。
注: 現在、テーブルには関数の参照のみ格納できます。しかし、将来的に拡張される予定です。
構文
var myTable = new WebAssembly.Table(tableDescriptor);
パラメータ
- tableDescriptor
- 以下のメンバーを含むことができるオブジェクト:
- element
- テーブルに格納する値の型の文字列表現。現在は、
"anyfunc"
(関数) のみ設定できます。 - initial
- WebAssembly テーブルの初期要素数。
- maximum 省略可
- WebAssembly テーブルが拡張できる要素の最大数。
例外
- もし
tableDescriptor
がオブジェクト型でない場合、TypeError
がスローされます。 - もし
maximum
定義されていてinitial
よりも小さい場合、RangeError
がスローされます。
Table
インスタンス
全ての Table
インスタンスは Table()
コンストラクタの プロトタイプオブジェクト を継承します。これは全ての Table
インスタンスに影響するように変更可能です。
インスタンスプロパティ
Table.prototype.constructor
- このオブジェクトのインスタンスを生成した関数を返します。デフォルトでは
WebAssembly.Table()
コンストラクタです。 Table.prototype.length
- テーブルの長さを返します。すなわち、要素数です。
インスタンスメソッド
Table.prototype.get()
- アクセサ関数。インデックスから格納された要素を取得します。
Table.prototype.grow()
- 指定した要素数で Table インスタンスを拡張します。
Table.prototype.set()
- 指定したインデックスに要素を格納します。
例
以下の例 (table2.htmlの ソースコード と 動作例 を参照) では初期サイズが2の WebAssembly Table インスタンスを生成しています。次に、テーブルの長さと2つのインデックスの内容を表示しています (長さが2で両方の要素が null
であることを確認するために、Table.prototype.get()
を使って読み込んでいます) 。
var tbl = new WebAssembly.Table({initial:2, element:"anyfunc"});
console.log(tbl.length); // "2"
console.log(tbl.get(0)); // "null"
console.log(tbl.get(1)); // "null"
次に、テーブルを含むインポートオブジェクトを作ります:
var importObj = {
js: {
tbl:tbl
}
};
最後に WebAssembly.instantiateStreaming()
を使用して wasm モジュール (table2.wasm) をロード し、インスタンス化します。table2.wasm モジュールは2の関数を持っていて (1つは42を、もう1つは83を返す) 、インポートされたテーブルの0、1番目に両方の要素が格納されます (text representationを参照) 。そして、インスタンス化された後、テーブルの長さは2のままです。しかし、今はJSから呼び出し可能な エクスポートされたWebAssembly関数 が含まれています。
WebAssembly.instantiateStreaming(fetch('table2.wasm'), importObject)
.then(function(obj) {
console.log(tbl.length);
console.log(tbl.get(0)());
console.log(tbl.get(1)());
});
内部の値を表示するためには、参照された関数のアクセサの呼び出しの後に、2つ目の関数呼び出しを含める必要があることに注意して下さい (get(0)
ではなく get(0)()
)。
この例では、JavaScript からテーブルを作成してアクセスしていますが、wasm インスタンス内で同じテーブルを参照して呼び出すこともできます。
仕様
仕様 | 策定状況 | コメント |
---|---|---|
WebAssembly JavaScript Interface Table の定義 |
草案 | 初回ドラフト定義。 |
ブラウザ実装状況
BCD tables only load in the browser
関連情報
- WebAssembly overview page
- WebAssembly のコンセプト
- WebAssembly JavaScript API を使用する