@media

@mediaCSSアットルールで、1 つまたは複数のメディアクエリーの結果に基づいて、スタイルシートの一部を適用するために使用することができます。これによってメディアクエリーを指定し、そのメディアクエリーがコンテンツの使用される端末に一致する場合にのみ、文書に CSS のブロックを適用することができます。

メモ: JavaScript では、 @media を使用して作成されたルールは、 CSS オブジェクトモデルの CSSMediaRule インターフェイスによってアクセスすることができます。

試してみましょう

構文

@media アットルールは、コードの最上位に配置したり、他の条件付きグループアットルールの中に入れ子にして配置したりすることができます。

css
/* コードの最上位 */
@media screen and (min-width: 900px) {
  article {
    padding: 1rem 3rem;
  }
}

/* 他の条件付きアットルールの中にネスト */
@supports (display: flex) {
  @media screen and (min-width: 900px) {
    article {
      display: flex;
    }
  }
}

メディアクエリーの構文について詳しくは、メディアクエリーの使用を参照してください。

解説

メディア種別

メディア種別は機器の全般的な分類を記述します。 not または only 論理演算子を使用する場合を除き、メディア種別は省略可能であり、暗黙で all と見なされます。

all

すべての機器に適合します。

print

ページのある資料や、画面に印刷プレビューモードで表示されている文書向けのものです。(これらの形式に特有の整形上の問題については、ページ付きメディアを参照してください。)

screen

主に画面向けのものです。

speech

音声合成向けのものです。

メモ: CSS2.1 および Media Queries 3 では、その他のメディア種別 (tty, tv, projection, handheld, braille, embossed, aural) が定義されていましたが、これらは Media Queries 4 で非推奨となったため、使用すべきではありません。 aural タイプは speech に置き換えられましたが、これも同様です。

メディア特性

メディア特性は、ユーザーエージェント、出力装置、環境の特定の特徴を記述します。 メディア特性式は、その存在や値を調べるもので、完全に任意です。それぞれのメディア特性式は、括弧で囲む必要があります。

any-hover

入力メカニズムで、ユーザーが要素上でのホバーを使用することができるものがあるか。 Media Queries Level 4 で追加。

any-pointer

入力メカニズムにポインティングデバイスがあるか、もしそうであればどれだけ正確なものであるか。 Media Queries Level 4 で追加。

aspect-ratio

ビューポートの幅対高さのアスペクト比。

color

出力機器の色コンポーネントあたりの色のビット数、または端末がカラーでなければゼロ。

color-gamut

ユーザーエージェントおよび出力機器が対応しているおよその色の範囲。 Media Queries Level 4 で追加。

color-index

出力機器の色参照表の項目数、または端末がそのような表を使用していないのであればゼロ。

device-aspect-ratio 非推奨

出力機器の幅対高さのアスペクト比。 Media Queries Level 4 で非推奨。

device-height 非推奨

出力機器のレンダリング面の高さ。 Media Queries Level 4 で非推奨。

device-width 非推奨

出力機器のレンダリング面の幅。 Media Queries Level 4 で非推奨。

display-mode

ウェブアプリのマニフェストの display メンバーで指定されているアプリケーションの表示モード。 Web App Manifest 仕様書で定義。

forced-colors

ユーザーエージェントがカラーパレットを制限しているかどうかを検出。 Media Queries Level 5 で追加。

grid

出力機器はグリッドとビットマップ画面のどちらを使用するか。

height

ビューポートの高さ。

hover

主要な入力メカニズムで、ユーザーが要素上でのホバーを使用することができるか。 Media Queries Level 4 で追加。

inverted-colors

ユーザーエージェントまたはその下の OS が色を反転しているか。 Media Queries Level 5 で追加。

monochrome

出力機器のモノクロフレームバッファーにおけるピクセルあたりのビット数、または端末がモノクロでなければゼロ。

orientation

ビューポートの向き。

overflow-block

ビューポートをブロック軸方向にあふれたコンテンツを出力機器がどのように扱うか。 Media Queries Level 4 で追加。

overflow-inline

ビューポートをインライン軸方向にあふれたコンテンツがスクロールできるか。 Media Queries Level 4 で追加。

pointer

主要な入力メカニズムがポインティングデバイスであるか、もしそうであればどれだけ正確なものであるか。 Media Queries Level 4 で追加。

prefers-color-scheme

ユーザーが明るいまたは暗い色遣いを望んでいるかどうかを検出。 Media Queries Level 5 で追加。

prefers-contrast

ユーザーがシステムに隣り合う色のコントラスト量を増加または減少させるよう要求したかどうかを検出。 Media Queries Level 5 で追加。

prefers-reduced-motion

ユーザーがページであまり動きを望まないかどうか。 Media Queries Level 5 で追加。

resolution

出力機器のピクセル密度。

scripting

出力機器のスキャン処理方式。 Media Queries Level 5. で追加。

update

どれだけの頻度で出力機器がコンテンツの表示を変更できるか。 Media Queries Level 4 で追加。

width

スクロールバーの幅を含むビューポートの幅。

論理演算子

論理演算子 not, and, only を使うと、複雑なメディアクエリーを構成することができます。 また、複数のメディアクエリーをカンマで区切って 1 つのルールにまとめることもできます。

and

複数のメディア特性を 1 つのメディアクエリーに結合する際に使用されます。クエリーが true になるためには、結合させた各機能が true を返すことが必要です。 また、メディア特性とメディア種別を結合する際にも使用されます。

not

メディアクエリーを反転するために使用され、クエリーが false を返す場合に true を返します。 カンマで区切られたクエリーのリストの中にある場合は、適用された特定のクエリーのみを反転します。 not 演算子を使用する場合は、メディア種別指定しなければなりません。

メモ: レベル 3 では、個々のメディア特性式を否定するために not キーワードを使用することはできず、メディアクエリー全体のみを否定することしかできません。

only

クエリー全体が一致する場合にのみスタイルを適用します。 これは、古いブラウザーが選択したスタイルを適用できないようにするのに便利です。 only を使用しない場合、古いブラウザーは screen and (max-width: 500px) というクエリーを screen と解釈し、クエリーの残りの部分を無視して、すべての画面にそのスタイルを適用してしまいます。 only 演算子を使用する場合は、メディア種別指定しなければなりません。

, (カンマ)

カンマは、複数のメディアクエリーを 1 つのルールにまとめるために使用されます。 カンマで区切られたリストの各クエリーは、他のクエリーとは別に扱われます。 したがって、リスト内のクエリーのいずれかが true であれば、メディア文全体が true を返すことになります。 言い換えれば、リストは論理的な or 演算子のように動作します.

アクセシビリティの考慮

サイトの文字の大きさを調整している人に合わせられるようには、メディアクエリー<length> が必要な時には em を使用してください。

em および px はどちらも有効な単位ですが、 em はユーザーがブラウザーのテキストの寸法を変更した場合によりうまく動作します。

また、ユーザーの使い勝手を向上させるために Level 4 のメディアクエリーを使用することを検討してください。例えば、 prefers-reduced-motionユーザーがシステムにアニメーションや動きの量を最小化するよう要求していることを検出します

セキュリティ

メディアクエリーはユーザーが作業する端末の能力—およびその先にある、特性および設計—を調べる関係上、端末を識別する「指紋」を構築するために不正利用されたり、ユーザーにとって望ましくない観点のものに分類されるものに利用されたりする可能性があります。

この可能性のため、ブラウザーは返値がコンピューターを正確に識別するために使用することを防ぐために、何らかの方法で返値を偽造することがあります。ブラウザーは、この分野で他の手段を提供する場合もあります。例えば、 Firefox で「フィンガープリントの採取」をブロックしている場合、多くのメディアクエリーは実際の端末の状態を表す値ではなく既定値を報告します。

形式文法

@media = 
@media <media-query-list> { <rule-list> }

css
@media print {
  body {
    font-size: 10pt;
  }
}

@media screen {
  body {
    font-size: 13px;
  }
}

@media screen, print {
  body {
    line-height: 1.2;
  }
}

@media only screen and (min-width: 320px) and (max-width: 480px) and (resolution: 150dpi) {
  body {
    line-height: 1.4;
  }
}

Media Queries Level 4 では、範囲を受け付ける特性を検査する際に、以下のようなより簡潔にメディアクエリーを記述できる新しい範囲の構文が導入されました。

css
@media (height > 600px) {
  body {
    line-height: 1.4;
  }
}

@media (400px <= width <= 700px) {
  body {
    line-height: 1.4;
  }
}

他の例については、メディアクエリーの使用をご覧ください。

仕様書

Specification
Media Queries Level 4
# media-descriptor-table
CSS Conditional Rules Module Level 3
# at-media

ブラウザーの互換性

BCD tables only load in the browser

関連情報